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2012年7月23日月曜日

階段のデザイン

設計作業の中で最も検討する部分のひとつが階段です。「本当に?単なる階段でしょ。」と思われる方も多いかもしれませんね。でも本当なんです。設計事務所の修行時代は階段の図面が書けたら一人前とも言われるぐらい難しく奥が深いんですよ。

階段には上下階の移動という機能があるのはもちろんですが、それ以外にも上方からの光を落とす吹き抜けのような役割やオブジェクトのような建物のアクセント的役割を担うことがあります。また時には権威を表現するような大階段もありますね。

技術的には階段の足が乗る部分を「段板」、段板を支える部材を「ささら」といいこれらが床や壁とどうぶつかり、どちらの材料が上か下か、どこで材料が変わるかということを永遠と図面や模型で考えます。これに手摺、巾木と言う部材が加わり、、、と書いてるだけでも疲れますね。(笑)また油断すると降り際に上階の床に頭がぶつかってしまうこともあります。

写真の階段は私たちが設計した住宅の階段です。ごくごく普通の手摺壁の階段なのですが、その手摺壁の笠木(木の部分)を上階まで一筆書きのように繋げることで縦の空間の動きを表現しています。この表現をするのも大工さんの習慣とは違うのでなかなか理解してもらえず、大きな模型を現場持っていき、それでも現場に行ったら間違っていて、その場で直してもらったという思い出があります。

これからは階段に注目して建物を見てみると面白いですよ。階段を見ればどれだけ丁寧に作られた建物なのか大体わかります。でもあまり見すぎて落ちないようにして下さいね。(笑)

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